地方公務員になるには、筆記試験以外にも「面接」をクリアする必要があります。
これが結構面倒なんですよね。
民間企業の就活でも同じですが、正直なところどうしてもココじゃないとイケないなんて思っている人の方が少ないですよ。
でも、面接では必ずと言ってよいほど「志望動機」は聞かれます。
「地元だったらなんとか考えられるんだけどなぁ」
なんて考えている人がとても多いです。
しかし、地元だから簡単に志望動機を考えられるものでしょうか。
実はそんなに簡単ではありません。
ここでは、志望動機を考えるときに、地元の市役所と地元以外の市役所の場合に気を付けたいことをお伝えしたいと思います。
志望動機が必要な理由
どこもかしこも志望動機を聞いてきますよね。
それは、あなたが市役所にふさわしい人間かどうかを判断するためです。
だって、これからあなたと一緒に仕事をしていくことになるのですから、できれば合わない人と仕事はしたくないですよね。
公務員は適当というイメージがあるかもしれませんが、今の公務員はそれほど適当ではありませんよ。
市役所によって人材を採用することに対する温度が違うことは間違いありませんが、面接をする以上「誰だってより良い人を採用する」に決まっていますよね。
志望動機を考えることは受験者にとってとても面倒なことですが、採用者側にとっても似たような志望動機を聞くのはとても面倒なことなんです。それでもあなたが市役所にふさわしいか判断するために志望動機は必要なんですね。
最低限確認したいのはあなたの意欲や継続性
一緒に仕事をしたいと思える人はどんな人だと思いますか?
「仕事に対して真摯に取り組める人」、「長くしっかりと育ててみたいと思える人」です。
もちろん、これ以外のことも知りたいと思っていますが、この2つは最低限必要なことなんです。
仮に、あなたを採用したけれど、気分によって仕事の質が変わってしまったり、手抜きな仕事をされてしまっては困るわけです。
特に、市役所職員に対する市民の目は年々厳しくなっています。
仕事に対して真面目に取り組めるというのは地方公務員に限らない大前提です。
そんなとき、あなたの行動で市役所の職員自体のイメージを悪くしてしまうことがあるのです。
他には、すぐに辞めてしまう可能性がある人に、先輩や上司は自分の時間を割いて仕事を教えるでしょうか?
高校や大学を卒業してすぐのあなたに、キレイな志望動機を求めているわけではないのです。
仕事に対して真面目に、そして市役所職員としての知識を付けていこうと思っていることに、プラスしてあなたの想いを伝えることができれば合格の可能性がグッと高まるはずです。
市役所の志望動機でしっかり伝えたい3つの項目
①なぜ地方公務員(市役所)を志望したのか
他意はなく、単純な疑問ですね。
あなたのやりたいと考えている仕事が、地方公務員の仕事の中にあったというのが自然で良いです。
- 学生時代の経験から〇〇について△△に問題を感じました。市役所職員になって〇〇政策に携わり□□のような取り組みをしてみたいと強く感じたから。
- 高齢化や人口減少によって、これからは福祉や子育てなど地域ごとの様々な課題が出てくることが予想されます。それを解決するためには究極のサービス業と言われる市役所の職員になることで全力で取り組むことができるから。
- 安心して生活できるようにしたいから(←どのように??)
- 地域に密着しているから、やりがいを感じるから(←密着していればやりがいがある?なぜ?)
- 社会の役に立てるから(←民間企業でも社会貢献はしている)
②なぜ〇〇市役所を志望したのか
あなたがどのくらい時間を割いて〇〇市について調べたのか、本当に〇〇市が良かったと思っているのかを知りたいという質問ですね。
〇〇市役所での仕事に対する姿勢や熱意に結び付くことですが、大げさに熱弁する必要はありません。
なぜなら、熱弁したところでまだあなたは行政のプロではないからです。
市役所に入ってから、興味を持つことも多くありますし、市役所ではあなたの希望の仕事に就けるとは限らないですよね。
熱弁しすぎることで希望の部署以外ならやる気が出ないのかもしれないと思われる可能性があります。
最低限〇〇市の政策にどんなことがあるのか、問題点としてどんなことを抱えているのかなど、あなたが〇〇市について知ろうとしていることがわかるようにしておくことが大切です。
- 〇〇市の子育て政策は、他市と比べて□□に工夫することで××に配慮されていていることに感銘し、自分もその中に入って政策を実行する側になりたいと感じたから
- 父親(親戚)が〇〇市で働いている姿を見て憧れていたから(←「親のアピール」「憧れ」だけで理由にならない)
- 地元なので愛着を感じるから(←本当に愛着があるのか突っ込まれるだけ)
③〇〇市役所に入ったあとのあなたの夢や希望
あなたが目標を持って仕事に組むことができるのかを確認する質問です。
あなたは今から市役所の職員を目指すわけですから、格好の良いことを言う必要はありません。
ただ、できるだけ市役所の仕事を想像して将来を想い描くことはとても大切です。
小さな目標でも持っている人と持っていいない人では、仕事に対する意欲が違うことは明白ですよね。
市役所に入ることが最終目的ではなく、入ってからどう過ごしたいのかを意思表示することで真実味は倍増します。
市役所の志望動機は地元以外の方が書きやすい
結論から言うと、地元だからと言って市役所の採用に有利ということはありません。
一部小規模な町などでは、町内の人しか採用してこなかったという例も知っていますが、今どきそんなことを考えている市町村なら就職する必要はありません。
これからの地方自治には、地域特性だけでなく独自性を打ち出していく必要があります。
そんなとき、多様な意見や事例を客観的に判断する必要があるからです。
面接を通して、「地元アピール」をして何か得がありますか?
せいぜい、市内の地理には多少詳しいんだろうなくらいの感覚しかありませんよ。
それでも地元であることをあなたのウリにしたいというのであれば、あなたは地元の歴史や市が抱える今の課題、それに対して市役所がどのような政策を実施していて、あなたならどんなことができるかまで用意しておかなければならないでしょう。
あなたが地元愛を訴えたわけですから、あなたの地元愛がどれほどのものか聞いてみたくなるのが当たり前ですからね。
面接では地元であることを軽く伝える程度にしておいて、間違っても地元を愛しているからなどと安易に発言しない方が良いです。
逆に、地元以外の人の方がチャンスになることもあります。
なぜ〇〇市を選んだのかという質問に対して、「自分の地元の市ではないようなアイデアが〇〇市では実施されていて、とてもうらやましく思っていた。」などを具体例を交えて伝えることができれば立派な志望理由になるからです。
市役所試験での効果的に志望動機を伝える3つのテクニック
前提として考えておかなければならないことは、採用担当者が必ずしもあなたの志望動機をしっかりと読んでくれるとは限らないということです。
もちろん、しっかりと受験者の志望動機を読もうとしているはずです。
しかし、多くの受験生の志望動機を精査するとなると、採用担当者も人間です。
疲れからかしっかりとした判断ができないことも考えられます。
想像してみてください。
自らが楽しんで読みたいと思っていない文章が山のようにあるところを(笑)
あなたもスマホから知りたいことについて検索することがあると思います。
それってあなたが知りたかったことのはずなのに、読むのが面倒になったり流し読みした経験があると思います。
同じように、採用担当者も意図せず見落としてしまうことがあるはずです。
大げさに言うなら、「全部を読まれることはない」というふうに考えてください。
面接で口頭で伝える場合も同様で、面接官は似たような志望動機をずっと聞かされているのです。
そこで、あなたが志望動機をしっかりと伝えるために取るべき行動は、「わかりやすく簡潔に伝える」ということです。
志望動機を面接官にしっかりと伝えるための具体的なテクニックを3つ紹介します。
①結論を先に伝えること
普段の会話の中でも同じですが、長々とあった出来事を話されたり、理由を先にながながと話されたとき、真剣に話を聞いている人にとってとても疲れるのです。
なぜなら、あなたの言いたいことを聞き逃さないように、集中しなければならないからです。
ところが、結論を先に言うことで、あなたが言いたいことがスッと入り込むのです。
そして、結論がわかっているから、理由などを聞いていてもしんどくならないのです。
他にも、志望動機が複数ある場合、先に志望動機の数を伝えておきます。
そうすることで面接官はあなたの言いたいことがいくつあるのかを知ったうえで聞くことができるのです。
この方法は、Webライティングなどの世界でも使われている手法です。
理由は、学生時代××を体験したときに、…(略)…だと強く感じたからです。
ふたつめは、■■だからです。
理由は、…(略)…からです。
②具体的なエピソードを含めること
あなたの意志や感想などを相手に伝えるには理由が必要です。
その理由の信ぴょう性を高めるために有効なのが「エピソード」です。
例えば、「責任感があります!」と得意気に言われても、「本当なの?なんでそう思うの?」と思うわけです。
なぜなら、面接官はあなたのことを何も知らないからです。
あなたが強い責任感を持っていることを伝えるには、過去の例を出すことがもっとも効果的な方法なんです。
ただし、注意しなければならないことはエピソードが長くならないようにすることです。
おすすめは、一度文字制限を気にせずにエピソードを書き出してみて、不要な箇所を削除していって徐々に簡潔に仕上げることです。
他にも、感情表現や形容表現などのときにも、ほんの少し具体性を付け加えるだけでとても良くなります。
例えば、「〇〇市の□□が凄いと思いました」と言うのと、「〇〇市では△△という取り組みをすることで□□の効果を高めているところが凄いと思いました」では印象が全く違うのです。
③書面の場合は箇条書きにまとめること
面接の前のエントリーシートや面接カードの中で、志望動機について書く機会があると思います。
そんなときは、先にお伝えしたように面接官が読むのがしんどくならないようにしたいです。
そこで、志望履歴ごとに番号をふって箇条書きにすることで、面接官が一字一句読まなくてもあなたの言いたいことはちゃんと伝わります。
これは、面接だけでなく採用後の資料づくりにおいても同じです。
相手に読んでほしければ、見やすくする工夫が必要になります。
私が面接官であればそういった配慮がされている人を高く評価すると思います。
②□□だから
××した経験から…(略)…と感じたからです。
③△△だから
◆◆した経験から…(略)…と感じたからです。
地方公務員(市役所)面接の志望動機の例を解説まとめ
ここでは、市役所の志望動機に「最低限含めておかなければならない項目」と「面接官へしっかりと内容を伝える」ための工夫を中心にお伝えしました。
これをやれば必ず合格するというような志望動機ではありませんが、どこにでもある志望動機から頭一つ上の志望動機になるはずです。
少なくともマイナス評価になることはありません。
あとは、あなたがじっくりと自分自身を分析し、オリジナリティのあるあなただけの体験を踏まえて志望動機を書けばより良いものができあがるはずです。