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ゆるキャラグランプリ2018四日市市の組織票騒動 | そもそも必要?

全国の自治体が躍起になってアピールしている「ゆるキャラ」ですが、毎年順位を決める「ゆるキャラグランプリ」なるものが開催されているようですね。

2018年のゆるキャラグランプリで、ひと騒動あったようです。

ここでは、2018年のゆるキャラグランプリで何があったのか、そもそもゆるキャラは必要な存在なのか私見をお伝えしています。

ゆるキャラグランプリ2018で四日市市職員が組織票を投じた

全国のご当地キャラクターが集う「ゆるキャラグランプリ(GP)2018」で、三重県四日市市が、市のマスコットキャラクター「こにゅうどうくん」をグランプリにしようと、市職員を動員して組織票を投じていることが、毎日新聞が入手した内部資料で判明した。

引用元:毎日新聞(2018年11月9日記事)

簡単に言うと、自分たちの市のゆるキャラを1位にするために、四日市市長を中心として市職員が組織的にゆるキャラグランプリのweb投票を行ったということです。

ゆるキャラグランプリの組織票のポイント

  • 担当の観光交流課が万単位のフリーメールアドレスを各部局に割り振った
  • 8月末から管理職を集めた会議が開かれ、投票指示が本格化
  • 初会合で森智広市長は「私は8月に1日30票投票した。9月から10票積み増す」と発言
  • メールアドレスから取得した投票用IDを職員や市民に配布
  • 管理職の一人は「投票で勤務時間を割かれている。」とコメント

四日市市の見解

  • 「あくまで各部局への協力依頼で無理強いはしていない。投票手法の是非は実行委が判断すること」と弁明
  • 市観光交流課は「市を挙げて盛り上げていこうと取り組んだ結果。不正との認識はない」
  • 「四日市は全く不正はしておりません」(四日市市長)
  • 四日市市のイメージを向上させたいという思いが強くあった
  • 「ご迷惑をおかけした部分については大変申し訳なく思っています」(担当課長)

ゆるキャラグランプリ実行委員会の見解

ゆるキャラグランプリ実行委員会の見解

転載元:直撃グッディ!放送内画像

「ゆるいイベントだから特に取り締まりはしない自治体の判断に任せます」のみ

四日市市役所の組織票のどこが問題なのか

個人的な感覚で、この組織票のどこが騒動の元になっているのかまとめると

  1. キャラの運営元が意図的に順位を上げようとしたこと
  2. 多くの投票をするために万単位でフリーアドレスを取得したこと
  3. 市職員が勤務時間中に投票をしていたこと

かなと思います。

まず、すべての投票について言えるのは、操作をしようとしたことですよね。
投票というものの意味を考えると、一部の人の意見が大きく取り上げられることは避けたいはずです。

ゆるキャラの運営元である四日市市が票を操作しようとしたことに関して非常に印象が悪いです。

そして、投票するためだけにフリーメールアドレスを万単位で取得するという行為ですが、フリーメールアドレス提供元からすれば迷惑でしかないと思います。
普段、法の趣旨などを考えながら仕事をしている人の発想ではないと思いますね。

そして最大の失敗は、それだけの大量の投票を勤務時間中にしていたことです。
四日市市としてはゆるキャラグランプリで成果を残すことが、市のイメージアップにつながるという意識だったので、業務のひとつという感覚だったのかもしれませんが、客観的に見てゆるキャラグランプリに投票することが業務と言えるのかというところだと思います。

それに対して四日市市長のコメントでは、しきりに「投票のルール上問題ない」「不正はしていない」「応援したい気持ちが投票結果に表れただけ」ということをおっしゃっていますね。

これを聞いて思うのは、市長さんはことの本質を理解されていないのではないかということです。
誰も四日市市がルール違反をしたとは言っていないからです。

騒動になっているのは、「ゆるキャラ運営元で、公務員である四日市市が、業務として票を増やそうとしたことの必要性」ですよ。

そして、グランプリの運営元であるゆるキャラグランプリ実行委員会が「ゆるいイベントだから特に取り締まりはしない自治体の判断に任せます」なんて言ってしまったら、なんなんだよって思いますよね。

確かにほとんどの人からすると、どうでもいいというのが本音ですが、運営元としてはルールを見直すとか今後の改善についてコメントするべきだったんじゃないかな。
グッズ販売などお金のニオイがプンプンする団体なのですから、グランプリ自体のイメージが悪くなると思うのですがね。

とにかくいろんなところで印象が悪かったということでしょう。

そもそもゆるキャラに順位を付ける必要があったのか

ゆるキャラとは、「地方の村おこし・地域振興のためのキャラクター」という意味で使われることが一般的です。

代表的なものは滋賀県彦根市の”ひこにゃん”があります。
ひこにゃんというキャラクターが有名になって、彦根市の知名度が上がり、訪れる人の数も増加しました。

この成功例にあやかるために全国の自治体が競ってキャラクターを作り始めました。

それはもう、タケノコのようにどんどんとご当地キャラが出現しました。
市役所職員の心理は、ご当地キャラで成功している市があるし、最近はどこもキャラを作っているからウチもしなければならないだろうというところだったのでしょう。
そこに目的や目標設定などはなかったのではないでしょうか。

ご当地キャラを作ることで「まちのイメージや知名度アップするから観光客が増えるはず」と安易な発想でスタートしているところが多いように思います。

彦根市が成功したのは、独自性だと思います。
彦根市は歴史もあり、彦根城という観光コンテンツを持っていました。

そこに、キャラクターを作ることで注目度を集めることで成功しました。
(ひこにゃんの爆発的な人気について予想していたかは定かではありません)

同じことを全国の自治体がすればどうでしょう。
そこには独自性はありませんし、そもそもまち自体に有力なコンテンツがあるのかわかりません。

今ではゆるキャラを作ることで注目されてまちのコンテンツを知ってもらおうというキャラ先行型になっているように感じます。

彦根市の場合は、既にある観光コンテンツへの呼び水としてご当地キャラを利用したにすぎないのです。

自治体はゆるキャラを作ることにどんな効果があるのか、何を目指すのかもっと明確にするべきだと思います。

ゆるキャラに順位を付けて、1位になればどんな効果があるのか、本当に知名度が上がるのか、イメージはアップするのか、その結果どんな効果があるのかわからないまま一生懸命とりあえず投票するということが今回の騒動につながっていると感じます。

世間で騒動になったのもこれが原因で、自治体が必死になってキャラの順位を上げる行為がどれほど地域のためになるのか、それによってどれほどの効果があるのか疑問だったからに違いありません。

ほとんどの人はご当地キャラに対して悪いイメージは持っていません。
しかし、今回のような騒動でどうでもいいやという印象を与えてしまったり、四日市市は意図していないイメージが付いてしまっただけではないでしょうか。

今回の騒動で感じるのは、地方自治体もマーケティングを意識した政策を立案しなければ独自性などは生まれないし、どこも同じことをするのであれば地方分権や地方創生などと大きなことを言っても始まらないと強く感じました。

私が市役所職員だったころ、「他の同じようにして、ウチの市は周囲に勝てるのだろうか」と疑問に思っていたのを思い出しました。

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