就職先の選択肢のひとつとして市役所職員に興味があるんだけれど、具体的に何から始めれば良いのかわからないということはありませんか?
私も民間企業に2年半ほど勤めていました。
そんなとき、公務員は大学を卒業して時間が経っていても新卒者と同じ試験を受ければ採用されることを知りました。
しかし、具体的にどうすれば良いのかわかりませんでした。
ここでは、今から市役所の職員を目指す人に向けて、市役所職員になるための道しるべとなれるよう、地方公務員採用試験の内容について、筆記試験の科目や、面接などの2次試験の内容について丁寧に解説していきます。
入りたい市役所ごとに採用試験を受ける
まず、地方公務員試験は資格試験ではありません。
資格試験予備校などで公務員コースが設置されていることから、勘違いされている人も多いです。
統一的な試験に受かることで市役所の職員になる資格が与えられるものではありません。
あなたの希望する市役所ごとに採用試験を受験し、合格しなければなりません。
市役所採用試験の日程は大きく年に4回
市役所採用試験の一次試験の日程は大きく年に4回あり、それぞれ「A日程」「B日程」「C日程」「D日程」と呼ばれています。
A日程 | 6月第4週の日曜日 |
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B日程 | 7月第4週の日曜日 |
C日程 | 9月第3週の日曜日 |
D日程 | 10月第3週の日曜日 |
ほとんどの市役所ではこの4つうちのいずれかに試験が行われますが、一部違う時期に行われる試験もあります。
京都市は一般的な採用試験以外にも、京都市方式という独自の採用試験を行っているなど、今後は自治体独自の試験が増えるかもしれません。
また、中途採用者(経験者採用)などは不定期に行われることがあるため、市役所職員への転職をお考えの人は小まめに募集情報を集めるようにしましょう。
市役所採用試験の内容
市役所職員に採用されるまでのおおまかな流れ
都道府県庁、市役所、町村役場は、「筆記試験」+「面接や論文試験」という組み合わせで実施されます。
筆記試験以外の部分は、市によってまちまちです。
あなたが受験する市役所の過去の傾向などを調べておく必要があります。
(筆記試験と同日に面接を実施する市役所などもあります)
筆記試験は2つに分類される
筆記試験は、「教養科目」と「専門科目」に分類されます。
地方上級と呼ばれる都道府県や政令市では、「教養科目」と「専門科目」のどちらの科目も一次試験の対象になります。
その他の市役所や町村役場では、「教養科目のみ」で受験できる場合と「教養科目+専門科目」で受験する場合があります。
比較的規模の大きな市役所では「教養科目+専門科目」を採用している傾向があります。
教養科目のみで受験する場合と、専門科目も必要になる場合では学習時間は2倍以上の違いが出てくるため、専門科目が必要となる試験で、公務員試験対策をせずに合格する人はほとんどないでしょう。
専門科目は一夜漬けや自頭だけで合格できるほど甘くはありません。
他にも教養科目と専門科目以外に、「適性検査」という試験が加えられることがあります。
「適性検査」というのは、公務員としての事務処理能力に適性があるかを試す試験で、特に対策をするというものではなく、頭の回転や要領の良さなどを確認するマークシート式の試験です。
- 教養科目(40問)
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数的推理・判断推理・資料解釈・政治・法律・経済・社会・物理・数学・化学・生物・地学・世界史・日本史・地理・思想・文化芸術
- 専門科目(40問)
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政治学・行政学・社会政策・国際関係・憲法・行政法・民法・労働法・刑法・経済原論・財政学・経営学
面接・論文(作文)・集団討論など内容は市役所ごとに違う
市役所の職員になるには、民間の採用試験と同じく面接や作文試験などがあります。
集団面接や個人面接、集団討論や作文など、市役所が独自に内容や回数などを決めています。
私個人の印象では、民間企業の採用とそれほど違いが無いように感じています。
ただし、求める人材は違うため民間企業と同じような受け答えが正しいかどうかはわかりません。
また、一次試験と同じ日に集団面接を実施する市役所もあり、筆記試験対策だけに注力していると対応できないこともあります。
(市役所側としても実際に入庁する意思がある受験者を選別しているのでしょう)
論文(作文)
60分から90分で800文字程度の問題が一般的です。
内容も様々で、一般的な時事に関する考え方であったり、行政分野に関する知識を含めるような題材も出題されます。
十数年前に私が受けた中で記憶に残っているお題は「あなたが考える理想の公務員とは」でした(笑)
短期間でできる対策ではないため、公務員試験を目指すと決めてからは時事問題や行政分野についてのニュースには注目しておく方が、作文であっても面接であっても有利であることは間違いないと思います。
面接
集団面接や個人面接など民間企業の採用試験と違いはありません。
面接は複数回行われることも珍しいことではありませんが、民間企業より回数は少ないと思います。
志望動機など一般的な質問が多く、無理に自分をアピールしようとする必要はないと思います。
私の場合、民間企業を退職後すぐにある市役所の採用試験を受験し、運よく筆記試験に合格したものの、面接で「わが市の魅力は何でしょうか」という質問に対してしどろもどろになってしまい、一瞬で空気が変わってしまい不合格となった経験があります。
集団討論
1つの題目に対し、5~6人程度のグループの中で解決策を60分程度でまとめるというものです。
民間企業で行われるものと大きな違いはありませんので、特別な対策は必要ありません。
ただし、面接などと同様に行政分野についての情報はニュースなどから積極的に入手するようにしましょう。
市役所職員になるための地方公務員採用試験内容解説まとめ
市役所職員などの地方公務員試験は、国家公務員のように統一的な試験ではなく、市役所単位での受験が必要になります。
メリットとしては、市役所という同じ仕事をする組織を複数受験できることです。
デメリットとしては、何度も筆記試験からスタートするため、すべての試験で筆記試験をクリアしなければならないことです。
また、あなたに与えられている時間によって、教養科目だけの市役所を狙うのかどうかなどの計画を立てることも重要です。
市役所職員になることが目的であるなら、できるだけ多くの市役所を受験できるように、日程調整をするようにしましょう。