市役所は定時で帰れるなんて言うのは妄想です | 公務員残業代の実態

市役所は定時で帰れるなんて言うのは妄想

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公務員、特に市役所の職員って楽そうというイメージをお持ちの方も多いと思います。

半分正解で半分不正解です。

もちろん定時で帰れることもありますが、残業もそれなりにあります。

ここでは、公務員の中でも市役所の職員の残業についての実態についてお伝えしています。

管理人の略歴
システムエンジニアとして約3年勤務し、その後某市役所に約15年勤務。市役所では係長までを経験。
民間と公務員を経験した体験から実情をお伝えしています。

目次

公務員の勤務条件

市役所の定時
国家公務員であれ地方公務員であれ、勤務時間などは法律や条例によって定められています。

そして、状況によって別に定めることができるようになっています。

公務員の勤務時間

一般的な国家公務員の勤務時間は、休憩時間を除いて、一週間当たり38時間45分となっています。(例外はあります)

対して、地方公務員(市役所)はというと条例によって定められていて様々です。
そのほとんどの市役所では国と同じように休憩時間を除き、1週間当たり38時間45分というのが一般的かと思います。

私の勤務していた市役所では、1週間で40時間を超えない範囲で、規則で定めますよとなっていて、その結果1週間当たりの勤務時間は38時間45分と決められていました。
労働基準法にある規定と同じですね。

1週間の上限が40時間で、それより短い時間を定めても良いというわけです。

根拠法該当箇所一般職の職員の勤務時間、休暇等に関する法律

市役所の定時

一般的な市役所の勤務時間は、「8:30~17:15」です。

一般的と言ったのは、最近では夜間開庁している市役所も増えていて、閉庁時間が違うことがあるからです。
(これについても条例規則で定められているはずです。)

市民のニーズに合わせて1週間のうち決まった曜日だけ19:00くらいまで開庁しているところもありますから、その場合は職員によって定時は違ってくることになりますね。

他にも新しい制度ができて窓口の混雑が予想される場合には個別に窓口を開ける曜日や時間を変更する場合もあり得ます。

私が勤務していたころ、マイナンバー関連の窓口は臨時的に休日も窓口を開けていることがありました。

昼休みは原則として12:00~13:00となっていますが、窓口業務の場合は交代制を取っている場合もあります。

一般的な市役所の勤務体制
8:30~17:15(うち12:00~13:00が昼休み)

国や都道府県庁など、住民と直接対応しない役所の場合はフレックスタイムや在宅勤務などを設定しているところもあります。

市役所職員が定時で帰れるかは部署や人しだい

市役所は定時で帰れるか

仕事ができる人と仕事しない人は定時で帰れる

公務員に限らず、民間企業でも同じですが、能力があって早く帰ることを目標としている人はセルフマネジメント能力が高く、同じ仕事をしても帰るのが早いです。

それに比べて残ることが美徳と考えている人も中にはいて、ダラダラと残業している人も多く存在しています。

また、そもそも「仕事をしない人」が存在しています。

その場合、自然と重要な仕事は振られず、結果として他の職員が苦労する羽目になってしまいます。

もちろん、仕事をしない人は定時で帰ることができます。

それでもそこそこまでは役職が上がっていくというのが公務員と民間の違いです。

慢性的に事務処理が多い部署は定時では帰れないことも多い

窓口対応が多い職場の場合、日中のほとんどを相談業務に追われることがあります。

1件の窓口対応をできるだけ短くできる人はそれだけデスクワークができるので、早く帰ることができますが、うまく対応できない人は相談業務に追われ、結果的に市役所が閉まってからデスクワークを始めることになり、定時で帰れないことが増えます。

また、役職によっても窓口に出る頻度が違うため、積極的に窓口に出てくれる若手が定時に帰れないなどということもあります。
(本来はそれを考慮に入れて事務を配分すべきなのですが、できていないことも多いです。)

時期によって繁忙期がある部署は定時で帰れないことも多い

わかりやすい例で言うと、税金や財政を扱う部署はどれだけ優秀な人であっても定時で帰ることなどできない時期があります。

固定資産であれば1月1日を基準とする性質上、その前後から年度末まではどうしても事務が集中してしまいます。
住民税の関係であれば確定申告時期から課税する5月までかなりの作業が発生します。

財政であれば、9月~11月に各課から上がってくる次年度予算を精査してからヒヤリングをし、最終的に議案にまとめるなどどうしても決まった時期に作業集中してしまう部署もあります。

どれだけ優秀な人であっても繁忙期にはかなり遅くまで残業する必要がある職場もあります。

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公務員(市役所)の残業の実態

市役所の残業時間

残業代は青天井にもらえるとは限りません

公務員といえば、青天井に残業代が出てウハウハなんじゃないの?
なんてイメージの人もいますが、実際にはそうとは限りません。

私が勤務していた市役所では幸いなことに所属長に認められた残業はすべて頂いていました。

しかし、他の行政機関(国や都道府県庁を含む)では、各課に配分された予算の範囲でしか支給されないということもあります。
(実際には予算の範囲内でしか超過勤務を命令しないため、すべての残業代が支給されているという解釈なのでしょう)

その結果何が起こるかというと、特定の人が配分された残業代金の多くを占めてしまう可能性が出てしまいます。
そうなると、残業代を申告することをためらうようになったという話も聞いたことがあります。

私は勤務していたころに市町村合併を経験していますが、合併で一緒になった団体の中には残業がまったくつかなかった団体もありました。
その団体では労働組合が組織されていなかったということが影響していたのかもしれません。

一般的には残業は係長までが支給されることが多い

公務員も民間企業と同じように、管理職になると残業は支給されません。(一部例外となる管理職もあります)

管理職の定義は国家公務員であれば法律、地方公務員であれば条例で規定されています。

地方公務員なら、係長が管理職という扱いのところもあれば管理職でないところもありますので、役職名だけで判断することはできません。

私が勤務していた市役所では、係長は管理職ではなかったため残業代は支給されていました。

関連記事地方公務員(市役所)の役職を解説

根拠法該当箇所一般職の職員の給与に関する法律第16条一般職の職員の給与に関する法律第19条の8

繁忙期には月に100時間を超える残業もあり得る

地方公務員の残業

転載元:地方公務員の時間外勤務に関する実態調査結果(グラフ集)

上の画像は「地方公務員の時間外勤務に関する実態調査結果」の結果の一部ですが、これを見てみると8月の残業がやや少なく、年間とおしての月平均残業時間は約13時間程度となっています。

この結果を見てみると、実際に公務員をされている人からすると思ったより少なくない?と感じるかもしれません。
調査対象団体が99団体であることや都道府県庁、政令指定都市、県庁所在市ということで、一般的な市役所と状況は違うかもしれません。

また、この3つの団体の場合、出先機関も多く平均値をかなり押し下げている印象です。
私がやり取りしていた都道府県の職員の方は、8時くらいにお電話させていただいてもほとんどの場合はまだお仕事をされていました。

公務員がどのくらいの残業時間になるかは、私が実際に勤務していた市役所での体験でお伝えすると、繁忙期には100時間を超える残業をしている部署はいくつかありました。

先ほどお伝えした税務部門や財政部門以外にも、子ども手当や国民健康保険などの担当も申請時期や賦課時期になるとかなりの残業が発生していた印象です。

もちろん閑散期もあり、定時で帰ることができる時期もあります。

とはいえ、年間を通して慢性的に残業が発生する福祉系部門などもあります。

公務員残業の実態まとめ

私の経験上では、公務員の中でも市役所の仕事は多岐にわたるため、市役所の残業時間というくくりではなかなか評価することができない印象です。

職場の違いもさることながら、人の能力による差もかなりあるというのが実情です。

実際、同じ職場にいても定時で帰る人と慢性的に残業する人がいるのも事実で、では、残業している人の仕事量が多いのかというとそうではないという場合も多くあります。

部署や人によって残業時間に違いがあることはお伝えしましたが、役職によっても受け持つ仕事内容が違うためなかなか正しく残業時間をお伝えできませんが、年平均で考えると、月20時間程度の残業時間を想定していれば大丈夫かと思います。

市役所の仕事が大変かどうかということを知りたい人にお伝えしたいのは、公務員の仕事は残業時間で判断することはできません。

プロジェクトを進めていく部署や地元調整、議会対応など担当する業務や役職によって心労はまったく違います。

若手のうちは残業時間を仕事のハードさの指標にすることもできるかもしれませんが、中堅以上になると一概に残業が多いからしんどい職場とも言えません。

あくまでも残業時間の目安として考えてください。




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